ビジネスを進めるにあたっては、さまざまなシステムを利用します。ここで問題となるのが、受発注や請求書発行、在庫管理などを行う業務システムの内容を基幹システムへ連携する際に手間がかかる、という点です。こちらの記事では、このような手間を効率化するための方法について解説していきます。
ECと業務システムそれぞれに同じ情報を入力する必要がある点が「面倒」と感じるポイントのひとつです。手で入力することによってミスが発生しやすいですし、それぞれのシステムで微妙に名前が異なることもあり、ミスが発生しやすい原因になっています。
連携する際にCSVファイルをインポートすれば良い、と気楽に考えていたものの、実はファイルをインポートするためにデータの整列を行わなければならないこともあります。たとえば列の順番や日付の形式、商品コードの桁数などを入力先のシステムに合わせてひとつひとつ修正していく作業が発生すると、非常に時間がかかります。
データの数が少なければそれほど時間がかからないかもしれませんが、データの数が多くなるほどデータの整形に時間が必要となります。
在庫の更新に関する問題も出てきます。もし基幹在庫が減ったとしても、システムが連携されていない場合には受発注システムに反映されません。そのため在庫の更新が遅れてしまい、トラブルに発展する可能性もあります。
ECサイトをshopifyで開設する場合の注意点として、API連携には対応しているものの、複雑なカスタマイズやシステムの連携が必要なケースにはあまり向いていないという点が挙げられます。例えば、ECシステムと基幹システムを連携させたいといった場合は、データベースなどとの複雑な連携に対応しきれないため、限定的な連携のみの対応となります。
shopifyを利用するためには、ITに関連する知識がある程度必要になることから、システム開発メンバーがいることが望ましいといえます。また、BASEやSTORESでは機能が足りないと感じる場合、ECの売上規模が月額10万円以上ある、といった場合にはshopifyの利用が適していると考えられます。逆に、小規模のECサイトの場合はシンプルに扱えるBASEやSTORESの方が使い勝手が良いこともあります。
以上のような点から、ECサイトの規模や売上などさまざまな面を検討しながらどのプラットフォームを利用するかを考えることが大切です。
実際にshopifyと基幹システムを連携するにはどのような方法があるのか、という点について見ていきます。基幹システムの種類にもよりますが、「CSVやスプレッドシートを経由して連携する方法」や、「APIを使用してPrivate Appを作成し、連携する方法」があります。
ここでは、それぞれの方法について解説していきますので、基幹システムとの連携を考えている人はぜひ参考にして見てください。
shopifyと基幹システムを連携させる場合、「CSVを利用して連携する」という方法が考えられます。この方法は、CSVのインポートやエクスポートができる基幹システムであれば可能となります。
実際に連携を行う場合には、shopifyのCSVインポート・エクスポート設定と、基幹システム側のCSVインポート・エクスポート設定を組むことにより、連携を実現することができます。
shopify管理画面やアプリを使用して、「商品情報」「注文情報」「顧客情報」「在庫情報」のようなデータについてCSV形式でエクスポートを行います。Shopifyの管理画面から「エクスポート」機能を使う方法や、CSVでのエクスポートに対応しているアプリを使用する方法があります。
出力されたCSVを基幹システムにて読み込むことにより、データの連携を行います。
上記とは逆に、基幹システムからShopifyへの連携を行う場合には、基幹システム側で出力したCSVファイルをShopifyにインポートすることによって、商品の登録や在庫の更新が行えるようになります。
CSVでShopifyにインポートできる主なデータとしては、「商品の一括登録」「在庫の一括登録」「顧客データ」といったものが挙げられます。そして、shopifyの管理画面にある「商品をインポート」などの機能を使用することによりデータのインポートを行えます。
また、「スプレッドシートを用いて連携を行う」という方法もあります。Shopifyとスプレッドシートを自動で連携させる用法としては、「有料のShopifyアプリを利用する」または「無料のShopify Flowを活用する」といった方法があります。
Shopifyアプリは費用が発生するものの、初期設定が簡単であることから「すぐにデータ連携をしたい」という場合におすすめの方法です。
また、Shopify FlowはShopifyが開発・提供している公式アプリですが、初期設定がやや難解であり最初は時間がかかるという点が注意点として挙げられます。ただ無料で利用できる点は大きなメリットであるといえます。
「Private App(カスタムアプリ)」を作成するという方法もあります。Shopifyのカスタムアプリとは、特定のストア専用に開発されるアプリで、Shopify APIの活用により独自の機能を追加したり外部システムと連携したりすることが可能となります。外部システムとの連携によって、注文が入るたびに在庫数や受注情報を自動的に更新する、といったことができるようになります。
Shopifyのカスタムアプリ開発は、下記のような流れで進めていきます。
カスタムアプリを開発するにあたっては、開発後の動作テストやバグ修正を行う、Shopifyのポリシーやプライバシールールを遵守するなどの注意点があります。
こちらの記事では、Shopifyと基幹システムを連携させる方法について紹介してきました。連携のためにはさまざまな方法が考えられますので、ニーズに合った方法を選ぶことがおすすめです。また、新規でビジネスを始めるといった場合には、途中で失敗に終わらせないためにもパートナー選びが非常に重要である、という点も念頭においておくことが大切です。
■フルバランス参照元
※1 株式会社フルバランス公式サイト(https://fbl.jp/)より、2017年以降構築の全クライアントを対象に2021年5月〜2022年4月の売上成長率から平均値を算出。
※2 参照元:株式会社フルバランス公式サイト(https://fbl.jp/)より、2022年6月時点でのShopify公式コミュニティのランキング
(Shopify 技術的なQ&A https://community.shopify.com/c/技術的なq-a/bd-p/tqa-jp )
■選定基準
Shopifyの公認パートナー「ShopifyExperts」「ShopifyPlusPartners」(2022年6月時点)である105社※1のうち、
①公式サイトに構築事例の記載があること(2022年6月時点)
②Shopifyに関する専門書籍を発行している※2こと
を満たし、かつ、ECサイト構築の専門家としてユーザーの課題解決に必要な3つの軸を下記に定義し、それぞれに強みのある会社として3社を選定。
※1 参照元:Shopify公式サイト(2022年6月時点) https://community.shopify.com/c/総合的なディスカッション/日本のshopify-expertsとshopify-plus-partnersの一覧/td-p/722989
※2 Amazonで「Shopify」と検索してヒットする有料の書籍のうち、著者がShopifyの構築支援を行っている企業・団体に所属していることが明示されており、判断できるもの。(2022年6月時点)
※3 参照元:Shopify公式フォーラム(2022年6月時点) https://community.shopify.com/c/kudos/leaderboardpage/category-id/jp/timerange/all/tab/authors