スマートフォンの普及やパンデミックの影響などといった背景から年々市場規模が拡大しているECサイト。このページではその中でも「BtoB EC」について、構築方法やメリット・デメリットなどを紹介しています。
BtoB ECとは企業間Eコマースのことをいい、企業・法人間における電子商取引を意味します。今までのECサイトは一般消費者向けに販売を行うBtoCが主流でしたが、近年承認や業務効率化・販路拡大などの観点からBtoBでECチャネルを開拓する企業が増えています。
経済産業省による「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」によるとBtoB ECの市場規模は年々右肩上がりとなっており、2021年から2022年にかけて12.8%増加し、420兆円を突破しました。
BtoB ECとBtoC ECの違いはターゲットが消費者か法人かであると紹介しましたが、より詳細な違いとしては「BtoB ECの方が取引規模が大きい」「BtoB ECでは相手先によって販売価格が異なる」「BtoB ECでは掛け取引を行う」などがあります。
BtoB ECにはウェブサイト上で不特定多数に対して販売する「BtoB ECサイト」と合意されたルールやフォーマットに沿って取引を行う「EDI」の2種類に大別されます。それぞれの違いについて学んでおきましょう。
法人をターゲットとしながら不特定多数が利用できるようなECサイトを構築し、ウェブサイト上で商品やサービスの閲覧から注文までを完結することができる仕組みが「BtoB ECサイト」です。かつて企業間取引は閉鎖的なイメージが根付いていましたが、1990年代に事務用品などのオフィスサプライを販売した企業がパイオニア的な存在として知られています。BtoB ECにはクローズド型やスモール型などといった種類があります。
EDIは「electronic data interchange(電子データ交換)」の頭文字を取った略称であり、主に大企業同士が合意されたルールやフォーマットにのっとって受発注や請求などのデータを処理し取引を行う形態となっています。EDIの原型は1980年代まで遡りますが、大型取引において業務効率化を図ることができるという点がメリットに挙げられます。しかしながら利用企業ごとにシステム仕様が異なるため、取引先との互換性が必要で、BtoB ECサイトと比較して柔軟性に欠けます。
ASPは「Application Service Provider(アプリケーション・サービス・プロバイダー)」の略であり、クラウド上で必要なソフトウェア環境を提供してもらう形で構築します。各サービス提供会社のカートシステムをレンタルすることでECサイトを構築します。
一般に公開されているオープンソースを活用してECサイトを構築する方法であり、ASP型よりもカスタマイズ性に優れていますが、規模が大きいと時間とコストがかかってしまう可能性があります。
ソフトベンダーの開発した基本機能を備えているパッケージシステムを購入し、自社のニーズにカスタマイズして運用する方法である。一定のカスタマイズ性を担保しながらゼロから構築せずに済むというメリットがあります。
ゼロから自社のECサイトを構築する方法であり、デザインや取引フローなどに合わせてすべてをイメージ通りに構築したい場合に採用されます。時間がかかる点、費用が大幅に高額となってしまう点などがデメリットとして挙げられます。
ASP型と同様にクラウド上で構築・運用を行う方法ですが、フルカスタマイズが可能であり外部システムとの連携が容易に行えるというメリットがある方法です。Shopify Plusではさまざまなカスタマイズ機能がデフォルトで提供されています。
Shopifyには「B2B on Shopify」という機能があり、Shopify Plusプランに加入することで利用が可能になります。既にD2Cストアを持っているような事業者が既存サイトと別に卸売ストアを構築したいケースや大規模な販売を行っている場合に適している構築手法となっています。この機能を使うと外部アプリを追加することなく、BtoB販売に必要な機能を利用することが可能です。
他にもShopify 上の機能を使うことにより、BtoB向けのECサイトを立ち上げることができます。パスワード保護機能を使って限られたユーザーのみがアクセスできるようにするほか、Shopifyアプリを導入して卸売ストアを開設するなどといった方法があり、業務効率化や取引円滑化など、自社のニーズに合わせた導入を行うとよいでしょう。
BtoB ECを構築することにより、エリアの制限にとらわれることなく新規開拓を行うことが可能です。また、営業時間に限らずインバウンドの受注・問い合わせに対応できるという点が受注拡大に繋がっており、一連の流れをシステム上で完結させることにより業務プロセスの効率化や人件費をはじめとするコストの削減にも繋がります。
BtoB ECを構築するにあたってはイニシャルコストが必要になりますが、BtoB ECはBtoC ECに比べると高額になる傾向にあります。また、アナログ発注に慣れている既存顧客が順応できるとは限らないことから、個別対応も含めた柔軟な調整が必要になります。
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これまではエリア的な制約が大きかった法人における営業活動も、オンラインを活用することにより制限なく業容拡大が図れるようになりました。BtoB ECをうまく活用し、ぜひ新たな販路拡大にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。