越境ECで食品を販売することはできます。ただし、食品を売るにはいくつかのポイントを抑えておかなければいけません。ここでは、Shopifyで食品を売るポイントについてまとめました。
越境ECで食品を売る際に気をつけたいのは、販売国の文化です。日本とは異なる文化に受け入れられる商品を取り扱う必要があります。たとえば、イスラム圏では、アルコールが微量に含まれる可能性のある醤油が売れません。イスラム圏で醤油を売るためには、ハラーム商品としてアルコールを含まない醤油を製造する必要があります。
イスラム圏でのハラーム商品の扱いについては、別ページで詳しく説明しているので、参考にしてください。
文化の理解だけではなく、法律の確認も必要です。たとえば、米国へ食品を輸出する際には、FDAに事前通知する必要があります。差出人・受取人の住所氏名・食品名・食品製造者・食品が製造された国・量・配送業者・配送上番号などの項目を登録し、承認番号を取得しなければいけません。この承認番号は「事前通知番号」といいます。航空便を使って輸出する際は、到着の4時間前までに事前通知を済ませる必要があります。事前通知番号を取得したら、インボイスに記載してください。
このように、販売国によって、必要な手続きなどに注意点があります。法律を確認しましょう。
商品を越境する場合は、配送期間を考慮する必要があります。短くて2~3日、長ければ1カ月程度かかる可能性もあります。配送に必要な期間を考慮して、品質管理を行うことが大切です。賞味期限が短い肉や野菜、魚などは輸出には不向きです。菓子や調味料、加工食品が適しています。また、常温での配送ができるものなら、品質管理も楽です。冷蔵などのオプションをつけるコストもかかりません。
販売したい国とその国の言語を設定してください。Shopifyアプリから翻訳アプリをインストールします。管理画面から、設定→マーケット→マーケットを追加→マーケット名を入力し、販売したい国にチェックを入れて「マーケットを追加」をクリックするという手順です。
次に、多通貨設定を行います。多通貨設定を行うには、Shopify ペイメントを有効にしてください。設定→決済→Shopify ペイメント欄の「管理する」をクリックし、「通貨を設定する」から表示させたい通貨を選択すれば設定可能です。
地域に合わせて決済サービスを設定します。個別の決済方法追加は、設定→決済→「別の決済方法」欄で「決済方法を追加」をクリックという流れです。「決済方法で検索」の欄にカーソルを合わせ、追加したい決済手段を選択して「インストール」をクリック。インストール画面に遷移したら、「アプリをインストール」を選択して、遷移先画面で必要な情報を入力してください。
配送料を設定した地域にのみ商品・サービスの販売が可能です。新たに販売を開始したい地域の設定を行いましょう。設定→配送と配達→一般設定→「配送エリア」欄の「エリアを作成」をクリックします。エリア名を入力し、配送エリアを選択したら「完了」をクリック。新たに設定した地域欄にある「送料を追加する」をクリックして料金の名前と配送料を入力して「完了」をクリックしましょう。最後に画面右上の「保存する」をクリックして完了です。
越境ECビジネスを開始する前に、販売国の関税や消費税の情報を調査しておきます。オンラインストアに追加で発生する金額などを明記しなければいけません。関税や消費税は国によって異なるため、調査せずにビジネスを開始すると予期せぬコストや法的な問題が生じるリスクがあります。チェックアウトの段階で対象国の関税や消費税を自動的に計算して表示させるよう設定しましょう。
引用元:とらやHP(https://global.toraya-group.co.jp/)
ECプラットフォームにshopifyを利用している海外用サイトです。英語・中国語サイトの決済処理プラットフォームにはStripeを使用しています。
引用元:キューピーHP(https://www.kewpieshop.com/)
自社のマヨネーズやドレッシングを使ったレシピ動画を公開し、家庭での料理のバリエーションを提案しています。使い方のヒントや新しい食べ方を提案し、消費者に製品の魅力を伝え購買につなげています。
食品を越境ECで取り扱う場合は、相手国の文化や法律の理解が必須です。たとえばイスラム圏への輸出ならハラール商品を提供する必要があります。アメリカに食品を輸出する際は事前の登録が必要です。越境ECは、日本とは異なる文化圏へ商品を届けることになります。必要な対応が多岐にわたるため、新規事業で慣れていない場合は、パートナー選びが事業を成功へ導くポイントになるでしょう。