ここでは、Shopifyを利用した越境ECについて紹介しています。メリットやデメリットをはじめ、越境ECを始めたいと考えている方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。「越境ECとは何か?」という点についてもまとめています。
ネットショップやECのプラットフォームを活用して、海外消費者に向けて商品やサービスを販売するECサイトの取引を「越境EC」と呼びます。例えばアメリカや中国などの海外に向け、企業だけではなく個人でも越境ECの仕組みを導入しているケースも増加しているといわれています。
この越境ECを始める場合には、大きく分けて3種類の方法があります。
まず1つ目が「グローバルECモールへ出店する」方法です。例えば、AmazonやeBayなどのECプラットフォームへの出店が考えられます。世界中に顧客がいるプラットフォームに出店することで、各国のバイヤーからのアクセスが期待できるといえるでしょう。
2つ目が「国内の海外向けECモールへ出店する」方法です。この場合、上記でご紹介しているグローバルECモールと比較すると顧客基盤は小さいものの、出店にあたる必要な説明が日本語で用意されていたり、サポートも日本語で利用可能などさまざまなメリットがあります。
例えば楽天市場でも越境ECサービスを用意しています。「Rakuten Global Market(楽天グローバルマーケット)」などのサービスを利用すると、日本の楽天市場への出店者も海外に向けて無料で販売が行えます。
3つ目が「海外への販売に対応する独自ECサイトを自社で構築する」方法です。自分で構築するとなると難しい印象を持つ方もいるかもしれませんが、例えばShopifyなどのプラットフォームを利用すればオンラインストアを作れます。この場合、カスタマイズが可能である点に加えて、越境ECに求められる機能をサイトに搭載できる点も注目しておきたいポイントといえます。
越境ECを始めるにあたって、Shopifyを利用して独自ECサイトを構築したいと考える方もいるでしょう。そこで、ここではShopifyで越境ECを始めるメリットとデメリットについてご紹介していきます。
海外向けECを運営するにあたってぶつかる課題の中に言語と通貨がありますが、Shopifyでは130以上の通貨と50以上の言語に対応しています。ユーザーのブラウザ設定に応じて自動翻訳することもできます。
キャッシュレスへの移行が加速していて、世の中にはさまざまな決済方法が登場しています。Shopifyは100種類以上にもわたる多種多様な決済方法に対応することができますので、高い顧客満足度を維持できるでしょう。
税や配送などは国によって決まりが異なるため、越境ECを運営するうえにおいては面倒な設定の一つです。しかし海外向けに商品発送を行うにあたり、必要な作業はすべてShopify上で対応することができ、余分な手間はかかりません。
Shopifyの利点として「豊富なデザインプレート」「アプリによる拡張性」が挙げられます。オリジナリティを示しながら利便性を高めることは非常に重要なポイントです。デザイン性の高い越境ECを構築できる点も人気の理由です。
ECサイトの運用は「おしゃれ」「便利」だけでなく、顧客をどう流入させ購買させるかというマーケティングも重要です。ShopifyはSNSとの連動やGoogle広告との連携など、さまざまな施策を講じられるマーケティングツールが充実しています。
ShopifyはSNSだけでなくECモールと連携できますので、販売チャネルを容易に広げることができます。これにより直接ECサイトには訪問しないような顧客層を取り込むことでき、効率よく管理することができます。
ShopifyはCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を導入しているため、アクセス元の国が違ったとしてもタイムラグが生じないようになっています。ストアの表示が遅いと離脱率が上がってしまいますが、Shopifyはそのリスクが少ないといえるでしょう。
Shopifyはカナダの企業が運営するサービスですので、場合によっては英語力が求められることがあります。近年日本語対応も増えてはいますが、まだ完璧ではありません。
ShopifyはECモールと異なり、自社への導線は自社で構築する必要があります。プラットフォームとしての集客力があるモールであればその恩恵を受けられますが、Shopifyの場合にはマーケティングツールを駆使するなどして自力で集客しなければいけません。
Shopifyでは日本語のサポートも一定程度されていますが、まだ万全な状態ではありません。そのため英語力に自信がない方は戸惑ってしまうシーンが発生してしまう可能性がありますので、この点に関しては注意が必要です。
ある程度知識やノウハウのある方にとっては魅力的なShopifyですが、あまりパソコン操作に慣れていない方にとっては機能が多すぎて選びきれない・使いきれない可能性があります。一定のスキルが必要な点はデメリットといえるでしょう。
まずは販売を行いたい国と言語の設定を行う必要があります。管理画面から「マーケット追加」を選択肢、販売したい国にチェックを入れて追加します。その後同じく管理画面の「設定」から追加したい言語を選択して追加します。
さまざまな通貨に対応できる設定にするためには「Shopifyペイメント」を有効にしなければいけません。管理画面の「設定」から「決済」を選び、ペイメント欄の「管理をする」「通貨を設定する」から表示させたい通貨を選択しましょう。
ユーザーが購入する際に選択する決済サービスの導入も行っておきましょう。管理画面の「設定」「決済」から「別の決済方法」欄を選択肢、「決済方法の追加」を行います。追加したい決済方法をインストールし、設定を行います。
Shopifyは配送料を設定したエリアにのみ販売することが可能です。そのため販売したいエリアがある場合、配送料や配送方法を設定しなければいけません。管理画面の「設定」から「配送と配達」「一般設定」「配送エリア」を選び、「エリアを作成」で設定します。
越境ECビジネスにおいては税金面について注意が必要です。関税や消費税の情報をきちんと調べた上で、オンラインストアに発生する税金・金額を明記しなければいけません。FAQページを作成して詳細な情報を記載するのもよいでしょう。
Shopifyで越境EC!消費税の設定や取扱は?を詳しく見る
海外は日本と異なる法律が施行・運用されていますので、さまざまな面において注意する必要があります。中でも特に気を付けるべきが税金周りです。「VAT」などといった日本でいう消費税に似た概念のものや「越境税」といったその国独自の税制がある場合があります。また、中にはそもそも取り扱いができない商品もあります。
法律のようにきっちり決まっていないとしても、「支払い習慣が違う」「挨拶などの定型文がある」といったようにその国だからこその商習慣があるケースもあります。倣わなければ必ず処罰される、というようなものではないとしても、うまく順応する方がトラブル回避に繋がると考えられますので、注意が必要です。
法律や商習慣のほか、その国に根付いている文化や環境にも注意を払っておく必要があります。具体的な例を挙げると「アメリカの配送は日本に比べると雑」といった違いがありますので、そういった場合には商品の梱包をかなりきっちりしておく必要があるでしょう。こういった文化の違いを把握しておけば、「配送された商品が破損していた」などのトラブルが回避できるかもしれません。
商圏を国外にまで広げ、越境ECを導入する企業は多くなっています。ここでは業界別に将来性などを紹介・解説していますので、ECビジネスを拡大したいと考えている方はぜひチェックしてください。
越境EC事例・海外事例|Shopify導入の成功事例を詳しく見る
デジタルコンテンツ販売は一般的な小売・飲食と異なり「現物」を用意する必要がないビジネスモデルです。そのためEC販売で売上を拡大しやすい分野・業界となっており、教育関連やライセンス販売、メンバーシップの提供などさまざまなコンテンツを取り扱う事が可能です。Shopifyではデジタルコンテンツの販売に適したアプリも配信されています。
Shopifyで海外向けのデジタルコンテンツを販売する方法を詳しく見る
日本食は海外からも人気が高いため、ECでユーザーを集めやすいジャンルとなっています。一方で注意しなければならないのは文化の違いです。アルコールや肉類がダメな宗派・文化も存在しますので、どの国で何を販売するかは事前にしっかりとリサーチしておくことをおすすめします。
ハラール商品とはイスラム法の規範に従って生活する人も利用することが可能な商品のことをいいます。イスラム信徒は世界の人口においてもかなり多くのシェアを誇っており、4人に1人はイスラム信徒になるとも言われているほどです。そのためハラール商品のマーケットは今後も拡大が見込まれています。
Shopifyで海外向けのハラール商品を販売する方法を詳しく見る
ジュエリー商品もEC販売との親和性が高いといわれており、国外向けにも販売することできます。市場におけるトレンドをしっかりとリサーチしておく必要はありますが、InstagramなどのSNSをうまく活用することができれば大きな売上を見込める点も魅力の一つです。
Shopifyの越境ECでジュエリーを販売する方法を詳しく見る
越境ECで販売できるのはモノだけではありません。最近ではインバウンド需要をしっかりと取り込むため、ホテル予約を獲得するために越境ECを活用するケースも増加しています。SNSやオンライン広告を活用するほか、ユーザーが興味を示しそうな観光情報の提供などさまざまな工夫を施してみるとよいでしょう。
アパレル商品を越境ECで販売する場合、販売先の気候や文化、トレンドに合わせた商品選定を行うことが重要です。また、SNSをうまく活用したマーケティングやShopifyのアプリを組み合わせることで販売力を強化することができます。
Shopifyの越境ECでアパレルを販売する方法を詳しく見る
お酒を越境ECで販売するにあたっては、取得しておかなければならない免許があります。また国によってはお酒を飲める年齢が違ったり、場合によっては通信販売そのものが禁止されている可能性もありますので、きちんと調べておきましょう。
寝具も越境ECで販売することができますが、海外とはサイズの認識が違うことがあるため、十分に調べておく必要があります。また取り扱う製品によっては定められた表示を備えて販売しなければならないこともあります。
日本の文化であるアニメや漫画などを含め、模型やフィギュアなどのホビー商品は海外でも人気が高い商品です。販売する際には商品をよい状態で配送できるような梱包やプライバシーへの配慮などが重要です。
越境ECで海外に向けて家電を販売する企業も多くなっています。家電は高額な商品ですので、保証の対応や分割での支払いなどといった要素によって、購入を促すことができます。プロモーションをうまく打てれば、大きな売上も期待できるでしょう。